くりいむレモン#4
ある事件 前述の、 Ch-X と A 美が急接近することとなった、“ある事件”をここで紹介しよう。以下は、 Ch-X と A 美が急接近することとなった、“あるじ事件”の顛末である。↓ ハンディーカムを手に、テニスギャルたちの動きを目で追う Ch-X 。右に左にハンディーカムを動かす。と、ハンディーカムを、左右に動かしすぎたようだ。視界の端になにかが映った。よく見ようと、思わずハンディーカムを向ける。すると、そこにいたのは。 A 美だ。純白のテニスウェア姿の A 美が、そこに立っていた。 「わっ !A 美ちゃん。」 あわててハンディーカムを後ろに隠す Ch-X 。 「なにをしているの ? 」 あきらかに盗撮である。 「べ、別に、なにも...。」 バレバレな嘘を言う Ch-X 。 「どうしてこんなところにいるの ? 」 誤魔化そうとして、逆に聞き返す Ch-X 。 「それはこっちの台詞だわ。でも...。」 A 美が言うには、こういうことであった。↓ ボール(飛球)が、しげみに入ったのでさがしに来た。だが、なかなかボールが見つからない。ボールを探しているうち、 Ch-X を見つけた。 ↑こういうことであった。 A 美曰く、一緒にボールを探してくれるなら、今日のことはだまっていてあげてもいい、ということである。一も二もなく、 Ch-X は承諾した。 「ガサガサ」 「ガサガサ」 しげみにボールを探す二人。ボールは、なかなか見つからない。二人はけっきょくテニス部のテニスコートのあるエリアから、かなり離れたところまで来てしまった。 「ふう。見つからないわね。ボール。」 「こんなに見つからないなんて異常だ。」 たしかに奇異なことである。 と、そのとき、どこかでかすかになにかが聞こえた。 「しっ ! しずかに。いまなにか聞こえなかった ? 」 鋭敏な A 美が気づいて言った。 「えっ。なにが。」 鈍感な Ch-X が聞き返す。 「たしかになにか聞こえたわ。こっちよ。」 A 美は、確信するとしげみのさらに奥へとわけ入っていく。 Ch-X もそれにしたがう。 A 美が先導するかたちで二人はどんどん進んでいった。進むうち、聞こえてくる“なにか”...