黒い下着の女 第二十一話
Y男は、その女性に見覚えがあった。
「あの女だ。」
そう、それは、あのビデオの主演女優である女だった。いや、Y男には、そう思えた。ただ、これは、Y男にそう思えただけのことかもしれない。前面は、あまりよく見ていない。しかし、後ろ姿の、あのウェーブのかかった長い黒髪は、あの女のものにちがいない(と、Y男は思った)。と、なぜか、Y男の脳内空間には、ビデオ画面に映ったあの砂の嵐の中の女の顔がよみがえった。Y男は、女のあとについていってみることにした。市街のデジタルカレンダーは、9月11日を表示している。市街の時計(アナログ時計)は、11時11分を指している。
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