パンチラ学園X 第三十六話

 テニス部の敷地は、森に囲まれた立地に存在している。森林浴をするには、もってこいの場所と言えた。しかし、少年Xの目下の目的は、そんな健康的なものではなかった。もっと不健康で不健全なものだった。テニス部女子の盗撮、という。

Xは、シャワールームにカメラのレンズ(望遠レンズ)を向けている。ほかのカメラボーイたちは、シャワールームの南側に陣取っている(もちろん、樹木の木陰や枝葉のかげやしげみの中からカメラを向けている)。Xは、北側である(Xは、木の太い枝の上から狙っている。もちろん、枝葉のかげからである)。シャワールームの南側の連中は、ガラスの壁面から、内部(なか)の紗姫先輩の姿が丸見えなのでいいポジショニングといえた。一方、少年Xの方は、シャワールームの北側に位置しており、この方角からだと、シャワールームの扉が邪魔になって、内部(なか)の様子がよく見えない。とはいえ、扉自体、小さな、簡素なものなので、まったく見えないこともないのであるが。

葉陰から身を乗り出すようにして、シャワールームの内部(なか)(厳密には、シャワールームの内部(なか)の紗姫先輩。)に、カメラのレンズを向けるX。

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